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綜説
角膜移植術に関する最近の話題
著者: 中島章1 加藤和男1 羽出山昭1 小松伸弥1
所属機関: 1順天堂大学眼科
ページ範囲:P.745 - P.750
文献購入ページに移動昨年10月末にワシントンにある国際眼球銀行のDr.J.H.King,Dr.C.E.Iliff及びDr.J.C.McLeanが香港で角膜移植の講習会に出席する途中に来日し,東京眼科集談会主催の講演会を行つた。その席上でDr.Kingによつて角膜移植の概論と,表層角膜移植用の角膜保存法の最新の術式が紹介された。又此の4月には,昨年の臨床眼科学会に紹待されたDr.Pischelの口添えによつて,San FranciscoのDr.Max Fineが来日し,東京眼科集談会で氏の過去20年2,000例余りの角膜移植手術の経験を基にした極めて興味ある特別講演が行われた。
日本に角膜移植法が制定されてから,既に5年が経過したが,未だ欧米に比べて全体的に見てその普及は未だしの感があり,その原因と考えられる諸原因については別の機会に述べた(中島,1960)。此の遅れを取り戻す為に昨年から角膜移植研究グループが結成され,今年からは文部省綜合研究班(班長桑原安治教授)としてスタートする事になつた事は慶賀の至りであるが,上に述べた二つの講演は,この様な日本での角膜移植術の普及発展に良い刺激剤となつた事は疑いない。この二つの講演は,いずれも順天堂大学で行われ,著者の一人が通訳したが,時間の関係で逐語訳をしなかつたし,出席者も限られていた。
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