文献詳細
文献概要
臨床実験
メニエール氏症候群の眼症状,特に左右差について—第3報迷路廻転刺激の眼内動脈血圧に及ぼす影響について
著者: 川畑隼夫1
所属機関: 1東京医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.751 - P.754
文献購入ページに移動I.緒言
私は第2報に於いてメニエール氏症候群(以下メ症と略)の眼内動脈血圧に就いて,健常対照群と比較しながら検討を加えたが,メ症には頭蓋内高血圧に属するものや,左右差の正常範囲を越えるものが多くみられた。然しメ症の症状は発作性に起り,間歇期には特有の症状は現われず,殆んど健常者と変りがない。そのために発作中に最も典型的な変化,特に著明な左右差が現われると考えられているが,発作中の測定は非常に困難であり,第2報の実験も発作とは無関係にすすめたものである。即ち発作前のもの,発作中のもの,発作後のもの,治療に依り軽快しつつあるもの等が混在していた。
そこで今回は少数例ではあるがメ症と健常者に廻転運動を加えて前庭刺激とし,実験的にメ症の発作時と同様な眩暈発作を起さしめ,眼内動脈血圧の変動を観察した。その結果聊か興味深い成績を得たので茲に報告する。
私は第2報に於いてメニエール氏症候群(以下メ症と略)の眼内動脈血圧に就いて,健常対照群と比較しながら検討を加えたが,メ症には頭蓋内高血圧に属するものや,左右差の正常範囲を越えるものが多くみられた。然しメ症の症状は発作性に起り,間歇期には特有の症状は現われず,殆んど健常者と変りがない。そのために発作中に最も典型的な変化,特に著明な左右差が現われると考えられているが,発作中の測定は非常に困難であり,第2報の実験も発作とは無関係にすすめたものである。即ち発作前のもの,発作中のもの,発作後のもの,治療に依り軽快しつつあるもの等が混在していた。
そこで今回は少数例ではあるがメ症と健常者に廻転運動を加えて前庭刺激とし,実験的にメ症の発作時と同様な眩暈発作を起さしめ,眼内動脈血圧の変動を観察した。その結果聊か興味深い成績を得たので茲に報告する。
掲載誌情報