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臨床実験
搏動性眼球突出症に関する最近の知見について—2症例の報告及び輓近の治療上の諸問題
著者: 宇山昌延1 錦織劭1 今泉桂1
所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.755 - P.766
文献購入ページに移動1813年,Benjamin Traversは搏動性眼球突出症について最初の報告を行い,本症を眼窩内の動静脈瘤(Aneurysma arteriovenosum)に依るものであると説明した。本症の原因として,海綿洞内に於る内頸動脈の破裂を初めて診断したのは,Nelatonであつて,この事実は後に剖検によつて確認された。
本症に関しては,既に1920年,Sattler1)がHandbuch der gesamten Augenheilkunde第2版に,実に352例の多数例について詳細に集録・検討している。本邦眼科領域に於ても,明治37年,丸尾16)が最初の報告を行い,以後,河本・岡山17),正18)等の詳細な記載に相次いで,最近11年間(昭和25年以降現在迄)に21例の報告を見出す事が出来る。
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