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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科16巻7号

1962年07月発行

談話室

眼科医の将来

著者: 桐沢長徳1

所属機関: 1東北大学

ページ範囲:P.826 - P.827

文献概要

 眼科学に志す医学生が最近減少しつつあるということが,眼科の保険点数の低いことと結びつけて論ぜられることが近来多い。このことはわが国に於ては確かに一面の真理であつて,その証拠には,開業して経済的に恵まれる見込があるという科が,その時代の社会的条件によつて変ると,科の志望者が変動するという事実のあることである。たとえば戦後の混乱期にあつては産婦人科がその後,新治療が多くて,しかも保険制度の少なかつた神経科が,というようなことが見られたようである。
 しかし,志望科の選択が,単に経済的な条件のみで左右されるということは,われわれ戦前派にとつては誠に情ないことで,学問的興味とか,恩師の人格とか,医学的使命感とかによつて志望科を決めた昔がそぞろ懐かしまれる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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