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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科16巻8号

1962年08月発行

文献概要

臨床実験

網膜色素変性におけるTonophosphan (Hoechst)の暗順応改善作用について

著者: 古味敏彦1 内田幸子1

所属機関: 1大阪市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.877 - P.878

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Ⅰ,緒言
 古来,砒素は強壮薬として用いられ,卓越せる効果を有する反面,毒性の強いことも知られている。従つて元素周期律表上において,砒素と同族であり,しかも化学的性質の似た燐が砒素に代わり得るものとして注目されるのは不思議ではない。1923年Blum & Bendは,全く無害で,しかも神経栄養作用を有する燐の化合物Tonopho—sphan (Hoechst)を作つた。
 Tonophosphanは次の通りの構造式を有し,現在までに,臨床上・動物実験上より,発育促進食慾増進・腸ならびに心活動の正常化などの有益なはたらきをすることが知られているが,眼科方面においては未だ使用されたことを聞かないものである。私共は,これを網膜色素変性患者に使用し,暗順応の改善を認めえたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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