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臨床実験
IDUによるヘルペス性角膜炎の治験
著者: 鬼怒川雄久1 葉田野博1 小熊勇1 渡辺のり子2
所属機関: 1東北大学眼科教室 2
ページ範囲:P.59 - P.63
文献購入ページに移動殊に最近,各種眼疾患に対する無批判的な抗生物質や,特に副腎皮質ホルモンの局所使用の乱用によつて,本症の著明な増加,かつ悪性化の傾向が広く指摘されるに到つた。従来,本症に対して,ヂオニン,アトロピンの点眼,消炎剤の注射や内服,焼灼,沃度による腐蝕,更にサルファ剤や各種の抗生物質の局所及び全身投与,又異論の多いところであるが副腎皮質ホルモン剤,その他多くの治療法が試みられているが,何れも単なる対症療法であつたり,又二次的障害や合併症に対する処置にしかすぎない。例えばサルファ剤や抗生物質もヘルペスビールスへの効果の期待よりも,混合感染に対する治療であり,焼灼等もビールスを殺したとしても局所組織の損傷が大きくてすべての症例に対して用うるほどの効果は認あられていない。殊に頑症で合併症の強いものや,その再発に対しては殆ど無力であつた。
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