文献詳細
手術 白内障全摘手術について(第4回北日本眼科学会シンポジアム)
文献概要
私共の教室で昭和31年から5年間に行なつた老人性白内障の手術を対象とした。これには早老性あるいは若年性とよんでもよいような症例も含めたが,広義の老人性白内障ということにする。本日は全摘と嚢外とを対比させるため可及的爽雑物を捨て,例えば角膜パンヌス,角膜片雲,少くとも前眼部に著明な変化のみられるもの,また,明かに眼底に変化の認められるものは除外した。かくして得られた対象は157眼,内全摘は61眼,嚢外摘出が91眼,全摘は全体の38.8%,約40%となつている。全摘と嚢外との割合は2:3である。嚢外では男女同数であるが,全摘の場合は女性が男性の2倍以上となつている。
白内障の手術を行なうに際しての全摘を選ぶか,嚢外を選ぶかは,その時の事情にもよるが,大部分の場合全摘を試み,そして全摘がうまく行かなかつた場合に,嚢外にうつることにしている。全摘にならなかつた場合は散瞳が充分でない,あるいは患者があまりにも安静を欠くというようなことも含まれるが,多くの場合は水晶体嚢が薄いために破れてしまつた,あるいはZ氏帯が強靱なために切断できなかつた。あるいはKapselが,張りきつており鑷子でつまめなかつたという場合である。
白内障の手術を行なうに際しての全摘を選ぶか,嚢外を選ぶかは,その時の事情にもよるが,大部分の場合全摘を試み,そして全摘がうまく行かなかつた場合に,嚢外にうつることにしている。全摘にならなかつた場合は散瞳が充分でない,あるいは患者があまりにも安静を欠くというようなことも含まれるが,多くの場合は水晶体嚢が薄いために破れてしまつた,あるいはZ氏帯が強靱なために切断できなかつた。あるいはKapselが,張りきつており鑷子でつまめなかつたという場合である。
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