icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科17巻12号

1963年12月発行

文献概要

特集 眼科検査法(3) 特集

ハプロスコープ検病査

著者: 福田雅俊1

所属機関: 1東大眼科

ページ範囲:P.1310 - P.1312

文献購入ページに移動
Ⅰ.ハプロスコピー
 我々人類は2つの眼を持つているから,両眼の網膜にはそれぞれ異つた印象(外界の像)を受け得るわけであるが,事実は健康人は少しも複視に悩まされることもなく,両眼視(立体視)も容易に行なわれている。これは両眼の印象を互いに微妙な眼球運動により相重ねて,一つの両眼印象にするような作用,すなわち融像機能が常に行なわれているからであることはよく御承知のことと思う。ところでこの融像や,輻湊,調節等の機能は生理的には全く不可分で無意識下に行なわれているため,その個々の機能を取り上げて検査実験するには,かえつて複雑特殊な機械装置が必要となる。
 融像現象の研究,その機能力の程度(融像力)の検査測定のためにも,プリズムを用いた器械により両眼に左右別々の2個の視標像を与える試みが古来多くの研究者により行なわれて来たが,その両眼に分離された視野内容を両眼視的に合致させる現象をハプロスコピーと名づけるのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?