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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科17巻12号

1963年12月発行

文献概要

特集 眼科検査法(3) 特集

弱視の検査法

著者: 植村恭夫1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部

ページ範囲:P.1333 - P.1336

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緒言
 最近,弱視の診療が普及するにつれ,今まであまり重要視されなかつた「小児眼科」への認識がたかまり,視力不良な小児の療育問題がとりあげられるに至つたことは喜ばしいことである。しかし,他面,十分なる検査も行なわずに,視力不良な小児をすぐ弱視と診断し,誤まつた治療を行なつている例が増加し,その弊害面が漸く指摘されるに至つた。例えば,屈折異常を,十分なる屈折検査を行なうことなく,又,その眼鏡あるいはコンタクトレンズ矯正も行なわずにPleopticsを行なつているとか明らかな眼底異常,視野異常を認める例が,長期間Ple—opticsの対象とされている場合もしばしば見うけられることである。又,その反面,特有な黄斑部所見(中心赤色斑型黄斑等)を示す不同視性弱視が,中心性網膜炎あるいは,黄斑部変性症と診断され,小児が1年近くも,眼注を受け,あるいは危険な抗凝固剤療法を受けているのをみると,改めて,小児眼科の再認識の必要性を感ずるのである。弱視の診断法を述べる前に「弱視とは何か」の問題を述べねばならぬのであるが,紙面の関係上,Von Noorden (1960)の述べた分類,定義を略述することにする。
 1.斜視弱視:眼底あるいは屈折系に病的変化が認められない1眼の視力の欠陥をいい,現在斜視を認めるか,あるいは以前に斜視の既往のある者。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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