文献詳細
文献概要
臨床実験
非定型的な視交叉症候群を呈した下垂体色素嫌性腺腫
著者: 桑島治三郎1 高橋信1 黒滝四郎 和田徳男2 村上穆2 蒔苗徹2 富田幸男2
所属機関: 1東北大分院眼科 2東北大分院外科
ページ範囲:P.209 - P.213
文献購入ページに移動下垂体腫瘍の症状には,内分泌系の機能亢進または機能低下による特異な全身症状とならんで,眼症状が最も重視される。というよりは,下垂体腫瘍は眼症状によつてのみ患者じしんに早期に自覚され,かつ眼症状だけが殆んど唯一の症状として経過している期間が長い,という方がむしろ妥当であろう1)。
患者の多くはこの期間に眼科を訪ねるが,この時期にたまたま看過されると,腫瘍が自然成長のままで放置されることになる。下垂体腫瘍の早期診断に眼科の責任が特に重いといわれるゆえんである2)−5)。
掲載誌情報