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特集 第16回日本臨床眼科学会号(2) 一般講演
網膜血管交叉現象について
著者: 大林一雄1
所属機関: 1慈恵会医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.269 - P.270
文献購入ページに移動 今日結核にかわつて死亡率の第一位を占めている脳血管損傷は治療,予防医学の立場から重要性を加えてきているが,Keith-Wagener分類の発表以来,特に眼底検査は高血圧,動脈硬化の診断・治療に重要視される様になつた。最近高血圧眼底に於いて網膜細動脈硬化判定は個人差により生ずる誤差が問題となり,その判定に最も確実な所見として交叉現象が重要視されてきている。
交叉現象はGunn,Salus等により最初に記載され今日Gunn現象,Salus現象と呼ばれその根本は動静脈交叉部における静脈の走行の変化と管腔の変化に大別され夫々種々の型が存在する。しかし交叉現象は一つの大きな概念であり多くの種類を有し異つた臨床的意義をもつものと考えられる為にこれ等を一括して細動脈硬化と判定する事は多くの矛盾を有し交叉現象を再検討する事は必要である。
交叉現象はGunn,Salus等により最初に記載され今日Gunn現象,Salus現象と呼ばれその根本は動静脈交叉部における静脈の走行の変化と管腔の変化に大別され夫々種々の型が存在する。しかし交叉現象は一つの大きな概念であり多くの種類を有し異つた臨床的意義をもつものと考えられる為にこれ等を一括して細動脈硬化と判定する事は多くの矛盾を有し交叉現象を再検討する事は必要である。
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