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特集 第16回日本臨床眼科学会号(2) 一般講演
大脳に於ける視覚の抑圧と薬物による治療
著者: 筒井純1
所属機関: 1岡山労災病院眼科
ページ範囲:P.331 - P.338
文献購入ページに移動Ⅰ.緒言
眼球及び視路に全く器質的病変がないのに視覚の障害を起したものを弱視と呼んでいるが,その視覚抑圧の位置は漠然と大脳皮質附近であろうと考えられている。私は詐盲研究の途上Amobar—bital (Isomytal)又はChlorpromazine (Win—termin)の静脈注射を行つて神経症性弱視や廃用性弱視の視覚障害が急速に回復する現象に気付いた。従来ヒステリー性弱視の暗示療法や廃用性弱視の訓練療法(催眠術を含む)の報告は多いが,それに比して視覚抑圧の神経生理学的機序を考究したものは到つて尠い。近来向精神薬と呼ばれるグループの薬理学が進歩し,神経伝導路の研究に利用価値が認められてきたが,上記薬物の薬理と治療効果の上から視覚抑圧のメカニズムと弱視発生の理論について考えてみたい。
眼球及び視路に全く器質的病変がないのに視覚の障害を起したものを弱視と呼んでいるが,その視覚抑圧の位置は漠然と大脳皮質附近であろうと考えられている。私は詐盲研究の途上Amobar—bital (Isomytal)又はChlorpromazine (Win—termin)の静脈注射を行つて神経症性弱視や廃用性弱視の視覚障害が急速に回復する現象に気付いた。従来ヒステリー性弱視の暗示療法や廃用性弱視の訓練療法(催眠術を含む)の報告は多いが,それに比して視覚抑圧の神経生理学的機序を考究したものは到つて尠い。近来向精神薬と呼ばれるグループの薬理学が進歩し,神経伝導路の研究に利用価値が認められてきたが,上記薬物の薬理と治療効果の上から視覚抑圧のメカニズムと弱視発生の理論について考えてみたい。
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