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特集 第16回日本臨床眼科学会号(3) 一般講演
光凝固法によるHippel病の治験
著者: 百々次夫1 調枝寛治1
所属機関: 1広島大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.421 - P.434
文献購入ページに移動I.緒言
Hippel病に対する薬物療法は無効であつて,X線照射及びラジウム照射も随伴的障害の多い割に効果が少ないとされている。1939年Weve u.Rochatがジアテルミー凝固による血管腫の破壊を試みて良好な成果を報じて以来,数多くの報告に,特に初期像(網膜剥離などの合併症の起こらない前のもの)に対する確実な効果が論じられている。
一方,1949年にMeyer-Schwickerathは,網膜裂孔に対して,Beck炭素弧光を光源とする直像観察下での光凝固による裂孔閉鎖術を創始し,その後この光凝固法の適用範囲を拡げて,網膜血管腫に対しても光凝固による血管腫の破壊を試み,1959年には26例の治験例をあげて,網膜血管腫に対する光凝固法の秀れた適用性を論じた。更にその後の治験の累加に基いて,網膜血管腫は今や,裂孔閉鎖に次ぐ第2の重要な適応症と考えられるに至つている。
Hippel病に対する薬物療法は無効であつて,X線照射及びラジウム照射も随伴的障害の多い割に効果が少ないとされている。1939年Weve u.Rochatがジアテルミー凝固による血管腫の破壊を試みて良好な成果を報じて以来,数多くの報告に,特に初期像(網膜剥離などの合併症の起こらない前のもの)に対する確実な効果が論じられている。
一方,1949年にMeyer-Schwickerathは,網膜裂孔に対して,Beck炭素弧光を光源とする直像観察下での光凝固による裂孔閉鎖術を創始し,その後この光凝固法の適用範囲を拡げて,網膜血管腫に対しても光凝固による血管腫の破壊を試み,1959年には26例の治験例をあげて,網膜血管腫に対する光凝固法の秀れた適用性を論じた。更にその後の治験の累加に基いて,網膜血管腫は今や,裂孔閉鎖に次ぐ第2の重要な適応症と考えられるに至つている。
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