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特集 第16回日本臨床眼科学会号(3) 一般講演
家族性結節状角膜変性とその病理組織的所見
著者: 新津重章1 志和健吉1 堀江栄次1 吉田玄雄1
所属機関: 1岩手医科大学眼科教室
ページ範囲:P.457 - P.462
文献購入ページに移動家族性角膜変性に関しては,1890年Groe—nouw1)がKnötchenförmige Hornhauttru—büngenを記載して以来,今日迄多数の報告例がみられてきたにも拘わらず,その原因および本態は依然として不明である。
本症は家族的に発現する傾向がつよく,多くは10乃至20歳頃迄に発病すること,臨床的に炎症症状がみられず徐々に角膜混濁を増すこと等の共通した特徴をもつている。しかし角膜混濁の外観は千差万別で,その混濁の型状により,結節状,格子状,斑状,更に本邦の清沢2)によつて命名された膠様滴状,以上のような変性に分類されている。我々は最近,同胞全員に現われた角膜変性の1家系に遭遇し,これを観察する機会を得たので,その臨床的所見並に病理組織的所見について報告する。
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