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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科17巻5号

1963年05月発行

雑誌目次

故石原忍先生追悼特集 グラフ

故石原忍先生を偲ぶ

ページ範囲:P.561 - P.561

故石原先生御遺筆

ページ範囲:P.562 - P.562

略歴

ページ範囲:P.563 - P.564

 明治12年9月25日東京市麹町区永田町にて石原氏基の長男として生る。
(本当の誕生日は9月15日)

追悼の辞

著者: S.

ページ範囲:P.565 - P.585

一般講演

放射線白内障の病理組織学的所見

著者: 徳永次彦

ページ範囲:P.587 - P.592

 人眼放射線白内障の病理組織学的所見を多数例について検討したものはCogan et al.1)(1952)のみで,その報告によると,人眼放射線白内障の特徴的病理組織学的所見は水晶体後嚢の小線維性肥厚及びその部への細胞迷入のようである。著者も自験3例(原爆白内障1例,レントゲン線白内障2例)を有し,更に家兎眼レントゲン線白内障(2,000r照射半年後)4羽4眼の電子顕微鏡的検索をなしたので,その成績のうち水晶体嚢,後嚢下仮性上皮細胞に重点を置いて,ここに放射線白内障の病理組織学的所見を述べる。

京都大学眼科教室に於ける最近7年6カ月間の網膜剥離の統計的観察第1篇—治療対象に関する統計

著者: 浅山亮二 ,   塚原勇 ,   坂上英 ,   福田富司男 ,   沢本義衛 ,   佐々木嘉彦 ,   浜田幸子 ,   内田璞

ページ範囲:P.595 - P.601

Ⅰ.緒言
 我々は既に昭和25年より29年に至る満5カ年間の京大眼科入院網膜剥離患者,250例264眼に就き種々の観点より統計的考察を行い,その成績を発表1)2)したが,その後網膜剥離患者は益々増加の傾向を示し,一方,又,これに対する治療法も,従来の手術々式の工夫改善,或は新術式の導入等により,古典的ジアテルミー凝固法が主体をなし鞏膜切除短縮術が時として行われるにすぎなかつた時代に較べて,著しい進歩発展をとげ,極めて多彩な手術々式が行われる様になつた。
 ここに於て,昭和30年以前とは全く様相を一変した新らしい時代の網膜剥離治療につき,再び統計的考察を行い前回の統計値と比較検討することは,極めて意義のあることであり,更には今後の剥離治療の発展に資するところが少なくないものと信ずる。

京都大学眼科教室に於ける最近7年6カ月間の網膜剥離の統計的観察—第2篇手術術式ならびにその成績

著者: 浅山亮二 ,   塚原勇 ,   坂上英 ,   福田富司男 ,   沢本義衛 ,   佐々木嘉彦 ,   浜田幸子 ,   内田璞

ページ範囲:P.601 - P.615

 第1篇に於て,治療対象に関する統計について述べたが,本篇に於ては手術に関する統計成績,就中,手術術式ならびにその成績に重点を置いて論ずることにする。

視神経管開放術の遠隔成績

著者: 深道義尚 ,   浜田陽子 ,   宮下俊輔 ,   岡本途也

ページ範囲:P.617 - P.619

 外傷による視神経の損傷は近年非常に多くなつている。自動車,単車等の交通事故によるものも多いが,一般労働災害によるものもかなりの数を示している。
 これ等の視神経損傷はその大部分が視神経管の骨折によるものと推察される。

Diamox Sequelsの緑内障眼眼圧下降効果について

著者: 須田経宇 ,   沢田惇 ,   武藤宏一郎 ,   若江清子 ,   井上洋一 ,   阿部孝司

ページ範囲:P.623 - P.627

 近年acetazolamideを始め,数々の炭酸脱水酵素阻害剤が出現し,その使用経験が数多く報告されている。私共も昨年Diurexの緑内障に対する治療効果1)を報告した。その後更に副作用が少なく,投与回数が少くてすみ,尚長期間強力な眼圧下降作用を維持する薬剤の出現が期待されたが,今回Lederle会社がこの期待に添う新製剤Di—arnox Sequelsを発表し,私共は之を入手し試用する機会を得たので,本剤の緑内障に対する治療経験を報告する。
 Diamox Sequelsは,1錠中500mgのace—tazolamideを含有しているが,このうち375mgは粉末や結晶の形でなくて,0.25〜1.68mmの顆粒状となつている。この顆粒は,1/2時間に15〜30%が,2時間で27〜47%,4 1/2時間で45〜70%,7時間で67〜100%が吸収される様にwax-coatされている。従つて,血中濃度の極大は内服後8〜12時間に得られるといわれている。このsu—stained-release現象のため,眼圧に対する下降効果は,従来のDiamoxが投与後30〜90分で眼圧は下降し始め,1〜5時間で極大に達し,8〜12時間作用を持続するのに対し,Diamox Sequelsは内服後18〜24時間眼圧下降効果を有するといわれている。このため,投与回数の減少,副作用の減弱が期待される訳である。

Scheie氏手術に対する病理組織学的考察

著者: 丹羽康祐 ,   船橋知也

ページ範囲:P.629 - P.633

Ⅰ.緒言
 1956年Scheie氏が,緑内障に対して,鞏膜焼灼による濾過手術を創案し,2年後の1958年中Am.J. Ophth.1)に,手術方法並に成績を発表以来,本手術は虹彩嵌置術及び円鋸術に代る手術として,米国に於いても広く用いられる様になつた。我国に於いても,1959年百々氏は,ジアテルミーを用いて,Scheie氏手術を行つた数例の記載がある2)が,本手術の濾過現象を,病理組織学的に検討した研究は,外国にも日本にも,私達の調べた範囲では見当らない。そこで私達は,臨床的に本手術の成績を追述すると同時に,動物実験を行い,源過創を組織学的に検索したので報告する。

Iridenclesisによる治験例の観察(予報)

著者: 小島克 ,   馬島慶直 ,   杉田雄一郎 ,   馬島昭生 ,   古井幸代 ,   新美勝彦

ページ範囲:P.635 - P.639

 虹彩嵌置術は既に100年前に考案せられていたと云う長い歴史を持つた術式であり,その間に幾多の変遷はあつたにせよ現在なお欧米諸国においても,本邦においても行われ,とくに最近多くの報告が見られると云う事はその術式の優秀性と予後の良好な結果と相俟つて興味ある問題だと考えられる。
 既にこの手術について赤木1),須田2),池田3),弓削・中村4)教授等を初め呉5),藤野6)氏等がその術式の検討並びに適応,予後,経過については詳細に報告されて居るが今回私達もここに2年半(昭和35年〜37年9月迄)にわたつて虹彩嵌置術を行い牛眼も含めて161眼について主として視力,眼圧についての一般的観察を行い2〜3の知見を得ましたのでここに報告し,諸先生の御批判を仰ぎたいと思います。

眼圧下降剤としての10% Ismelin点眼液の使用経験

著者: 上野賢一 ,   辻克夫 ,   福田量

ページ範囲:P.641 - P.646

Ⅰ.緒言
 交感神経遮断剤を用いて眼内圧を低下せしめようとする試みは,過去に於ても,Ergotamin,Imidarin, Dibenamine等を用いて行われたがそのいずれも効果不充分,又は強い副作用の為に臨床的に緑内障の治療には不適当であつた。しかるに,高血圧治療薬(降圧剤)として,最近Maxwdll, Mullらにより新らしく創製されたIsmelin (Guanethidin)はGanglionとRecep—tor間の末梢交感神経に作用し,従来の神経遮断剤又は交感神経麻酔剤と異なり,選択的に末梢交感神経を抑制するが,同時に副交感神経を抑制することはないと云われている。従つてIsmelinを点眼すれば,他の器管の機能,殊に血圧に影響を及ぼさず,眼内交感神経を抑制し眼内圧を降下せしめることが考えられる。
 われわれは正常眼及び単性緑内障眼に10%Ismelin点眼液を用いて著明な眼圧の低下を認めたのでその結果について述べる。

肺癌の脈絡膜転移

著者: 小島克 ,   馬嶋慶直 ,   新美勝彦 ,   大久保登喜代 ,   西村穣

ページ範囲:P.646 - P.654

Ⅰ.緒言
 脈絡膜転移症の報告は屡々されているが,多くみられるものではない。私共の集めた本邦の報告例は,20例に止る。その原発巣は乳腺(7),肺(4),Chorionepithelioma (2),縦隔洞,甲状腺,胸腺,胃(各1),不明(3)であつた。肺癌の転移は昭和34年後に急激に増した。私共は最近,肺気管支よりの転移と思われる1例の脈絡脈転移癌を観察する機会を得たので,それを報告したい。

Kimmelstiel-Wilson症候群の網膜所見

著者: 小島克 ,   新美勝彦 ,   清水節子 ,   高柳泰世 ,   東浦享子 ,   柴田偉雄

ページ範囲:P.654 - P.665

Ⅰ.緒言
 Kimmelstiel-Wilson症候群に属する症例を臨床的に相遇する機会は,眼科においても多いが,それを剖見することは本邦に於いては容易に得られない。私共は,幸いにその1例をみる機会を得たので,その結果をここに報告すると共に,最近この症候群に関する諸家の見解を参考させて頂くことにした。

糖尿病性網膜症兼眼内炎の組織所見

著者: 小島克 ,   清水節子 ,   内田富次 ,   高柳泰世 ,   岡田章子 ,   東浦亨子

ページ範囲:P.665 - P.674

 糖尿病における虹彩毛様体系の疾患は少いが,個々の症例が2,3知られる。樋渡氏はIrido—cyclitisはhypopion,fibrinosisを屡々伴うとされている。加藤氏等は,若年網膜症で白内障,緑内障を伴うもの(全体の0,2%)陳い後癒着を併せて465例中1.9%位であるとされている。
 Panophthalmitisは465:0(加藤氏)でありGraenouw (1930)によるとGrezoire (1900)が3例をのべているということである。

糖尿病性網膜症の臨床的諸因子の観察(Ⅰ)

著者: 小島克 ,   粟屋忍 ,   田辺竹彦 ,   新美勝彦 ,   渡辺郁緒 ,   桐淵惟義 ,   吉田則明 ,   桜井恒良 ,   田辺吉彦 ,   田辺詔子

ページ範囲:P.675 - P.681

 昭和33年1月1日より,37年6月30日迄に名大眼科外来を受診した糖尿病患者893名内,糖尿病性網膜症206名について,頻度,年齢,罹病年数,眼底Stageの点について分析した。
 1.頻度。
糖尿網膜症(Ret)は23.6%にみとめた。(表1)(注)石川氏(27.1%)

血清総コレステロールと糖尿病性網膜症(Ⅱ)

著者: 小島克 ,   粟屋忍 ,   田辺竹彦 ,   新美勝彦 ,   渡辺郁緒 ,   桐淵惟義 ,   吉田則明 ,   桜井恒良 ,   田辺吉彦 ,   田辺詔子

ページ範囲:P.682 - P.688

 血清総コレステロール(コ値と略す)について糖尿病性網膜症(Ret)と糖尿病非網膜症(N-Ret)について調べてみた。
 結果。
(1)「コ」値のピーク。N-Retは200mg/dl (32%),Retは250mg/dl (27%)にある。(表1)

Chondron点眼薬A号の使用経験

著者: 馬嶋昭生 ,   杉田雄一郎 ,   内田富次 ,   岡田章子

ページ範囲:P.688 - P.694

Ⅰ.緒言
 コンドロイチン硫酸は生体に対して種々の生理作用を有し,膠原病を始め,老化防止,動脈硬化,肝臓疾患,腎臓疾患等の全身的障害から,神経痛,難聴,各種眼疾患と広範な疾病の治療に用いられ優れた効果が認められている。コンドロイチン硫酸製剤として全身的治療には,コンドロン内報と注射が主として使用されているが,眼科的には結膜下注射及び点眼の効果が既に多数報告されている1)〜18)。コンドロンの点眼は,局所療法としては方法も簡単であり,又患者に投薬して必要に応じて適宜家庭でも点眼出来るもので,従来は1〜3%の注射液をそのまま点眼薬として使用していた。
 今回,コンドロン点眼薬A号(以下コ・A点眼薬と省略する)なる名称で下記の如く血管収縮剤である塩酸ナプアゾリンと防腐剤チメロサールを加えた3%コンドロン液が調製され,その提共を受けたので角膜疾患を主とする2,3の疾患に使用し,認むべき効果を得たのでここに報告する。

タンデリール(非ステロイド性消炎剤)の使用経験

著者: 新美勝彦 ,   馬嶋慶直 ,   馬嶋昭生 ,   田辺吉彦 ,   田辺詔子

ページ範囲:P.694 - P.699

Ⅰ.緒言
 Tanderil (Oxyphenbutazone)はPyrazol等のButazolidineの誘導体で1957年,スイス,G.R.Geigy社で合成された化合物である。以来その特異的な非ステロイド抗炎作用の故に広く臨床的に使用されるようになり,本邦でもすでに多くの臨床的応用,実験の報告がなされている。
 これらを総括するならば,眼手術後の結膜浮腫や刺激症状に極めて有効(笛田氏等),上鞏膜炎,虹彩毛様体炎,角膜炎の特に急性期に有効,眼外傷及び手術後の浮腫抑制に有効などの成績を認めておられる。東氏等は,動物実験において,抗アレルギー作用がCorticoidに比して著しく弱いことを知見されておられるが,臨床的には著名な差はなく,諸氏の臨床的応用では単独に使用されても十分な抗炎作用を認めておられる。

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眼科ニユース

ページ範囲:P.621 - P.621

人事消息
○倉知与志氏(金沢大教授)同大学医学部長に決定
 ○坂上道夫氏(東邦大学講師)1年間余のハーバード大学留学を終えて3月無事帰国。

銀海余滴

院長さんの海外旅行記

著者: 桐沢長徳

ページ範囲:P.627 - P.627

 先日,林雄造先生から,三原七郎博士の「外遊の生態」という本のお勧めを受けて車中で一読したところ,誠に面白く,一気に読了した。同博士と私とは一面識もなく筆者略歴欄を見てはじめて外科のお医者さんであり,宮崎の社会保険病院長をしておられることを知つた。
 正直のところ,知らぬ方の書かれた本であるから,あまり期待もしていなかつたが,読むほどに,その軽妙な筆致,公正な判断,鋭どい観察眼にグングン引つけられ自分が外遊した時の皮相な外遊談などと比べて,人によつてこうも表現力に差のあるものかと我ながら恥かしくもなり,他方では心からの敬意と親近感を覚えたことである。

臨床実験

Bielschowsky現象について

著者: 戸田慎太郎 ,   調枝寛治

ページ範囲:P.701 - P.706

Ⅰ.緒言
 Bielschowsky現象は,分離眼球運動の一であつて,Cordsの命名になる異常である。同じく分離眼球運動として知られる交代上斜位についてはかなりの報告例を見るが,本現象については本邦では河本の記載があるに過ぎない。私共は最近本現象を呈する2例を経験したので追加報告したい。

アレルギー性眼疾患に対するPolaramine復効錠の使用効果

著者: 古城力

ページ範囲:P.707 - P.711

 クロルフェニラミン製剤のポララミン復効錠をアレルギー性眼疾患に使用して見るべき効果をあげ,特にアレルギー性結膜炎,湿疹性眼瞼縁炎,眼瞼皮膚炎,フリクテン,虹彩炎,鞏膜炎等に有効で,特殊な例として壮年性反覆性網膜硝子体出血の患者で出血間隔の延長に成功した1例を得た。

結核性眼疾患に対するSertinon (1314 TH)療法

著者: 三国政吉 ,   大石正夫 ,   鈴木繁也

ページ範囲:P.712 - P.718

 1314 TH (Alpha-Ethyl-Thioisonicotinam—ide)は1956年Liebmann等により合成された新しい抗結核剤である。
 in vitroでは人型結核菌に対しINHのほぼ1/10,SMと同程度の抗菌力をもつているがinvivoではSMのほぼ2倍,INHの1/10の効果を示すという。特にINH,SM,PAS等に耐性の結核菌にも感性菌とほぼ同様の抗菌力を示すことが特徴とされ,これまで主に内科,外科方面で用いられてすぐれた効果があげられている。

Perilimbal Suction Cup及びそれによる緑内障診断

著者: 三国政吉 ,   岩田玲子 ,   福地裕子

ページ範囲:P.719 - P.724

 緑内障の診断は近年GrantにょるTonogra—phyの普及,GoldmannによるApplanati—on tonometerの実用化,わが国においては須田教授の圧迫試験等によりかなり進歩したとは云え依然として早期診断の困難な疾患の一つであることは衆知のところである。
 Rosengren (1934, 1956)はSuction Cupを角膜上にのせ,その吸引によつて一定陰圧を作用させ隅角部を圧迫することにより眼内圧を上昇せしめ,緑内障診断の助けにしようとする試みを発表した。Ericson (1958)はその際使用するCupの構造,作用する陰圧の量,作用時間等につき種々検討し,眼圧上昇度から房水産生量を測定することを報告した。

Fibrinolysinの使用経験

著者: 三国政吉 ,   木村重男

ページ範囲:P.725 - P.730

 線維素溶解酵素Fibrinolysinは正常血液中には不活性型のProfibrinolysinとして存在している。Profibrinolysinは時に応じて活性化され主とし線維素及び線維素原を溶解する。
 最近人血漿から分離精製されたFibrinolysinが強力かつ特異的な線維素溶解能力を持ち,しかも副作用の少いことから,いろいろな血栓性又は塞栓性疾患の治療に応用されるに至つている。

Erythromycin並びにその誘導体に就ての研究—Ⅲ.眼組織内移行

著者: 石田一夫

ページ範囲:P.731 - P.734

Ⅰ.緒言
 相次く有力な抗生物質の登場により,眼科における感染症の治療のうち,外眼部感染症は比較的容易になつたが,眼内感染症に就ては今もつて困難なことが多い。この解決の一助として,用いた抗生物質が眼組織内に十分な濃度を保つているかどうかを知るための実験をしてみた。
 Erythromycin (以下EM)の眼内移行についてはK.Naid等(1955)の実験がある。K.Naib等は家兎を用い静注,結膜下注射,角膜浴及び点眼時における角膜,房水,硝子体内濃度を測定している。Erythromycin propionate (以下EP)に関してはCheng-Chun Lee等(1961)の家兎における実験がある。かれ等は静注及び局所投写(眼軟膏)により血清と房水の移行をEMのそれと比較している。EMと同じマクロライド系のLeucomycin (以下LM)については近藤(1956)の実験がある。近藤は家兎を用い静注及び結膜下注射における眼組織濃度を発表している。Propionyl Erythromycin Lauryl Salfate(以下PELS)の眼内移行については未だ発表を見ない。

談話室

第19回国際眼科学会印象記(その1)

著者: 入野田公穂

ページ範囲:P.736 - P.743

 この度の国際眼科学会は,1962年12月3日より,同7日迄,5日間に亘り,印度国首都ニューデリーにおいて開催された。
 会場には,大統領官邸(Muchal Gardens)より記念門(India Gate)に到る大通り(Raj Path)に沿うVigyan Bhavan (知識の殿堂)が当てられ,それは約2,000名を容れる主室と共に大小多数の副室を有する堂々たる建造物であつた。私共は12月1日夜,ニューデリーに到着したので,2日午前10時会場ロビーに設けられた受付けで登録(Registration)を済まし,会員章,各種の招待状と共に始めて講演内容抄録を手にした。すなわちこの学会の予定計画の詳細(Detail)をこの時に漸く知らされたことになる。

第16回日本医学会総会印象記—その1総会に参加して

著者: 桐沢長徳

ページ範囲:P.745 - P.747

 今年の日本眼科学会総会は第16回日本医学会総会の分科会として,大阪で開かれたが,どの新聞にも「マンモス学会」として紹介されただけあつて,総会講演58,シンポジウム71を数える盛会で,このほか外人の特別講演22夜間講演,数々の展示会など,すこぶる大がかりの医学祭ともいうべき大会であつた。そのため,眼科学会の宿題報告と特別講演も,総会のプログラムの中に繰入れられ,分科会としての日眼総会は4月3日,4日の2日に限定された。従つて4月1日,2日,5日の3日間は全部総会講演のみということになつたが,事実上は5日には別会場で眼科のグループディスカッションや「点眼薬の改良に関する研究会」なども並行して行なわれた。
 日本眼科学会の役員会(理事会,評議員会)は2日に開かれたが,評議員会懇親会には各県の眼科医会長も招かれ,分科会長(水川孝教授)と大阪眼科医会長(湖崎精一博士)の合同招待会も兼ねて行なわれた。

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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