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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科17巻5号

1963年05月発行

文献概要

特集 第16回日本臨床眼科学会号(4) 一般講演

Diamox Sequelsの緑内障眼眼圧下降効果について

著者: 須田経宇1 沢田惇1 武藤宏一郎1 若江清子1 井上洋一1 阿部孝司1

所属機関: 1態大眼科

ページ範囲:P.623 - P.627

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 近年acetazolamideを始め,数々の炭酸脱水酵素阻害剤が出現し,その使用経験が数多く報告されている。私共も昨年Diurexの緑内障に対する治療効果1)を報告した。その後更に副作用が少なく,投与回数が少くてすみ,尚長期間強力な眼圧下降作用を維持する薬剤の出現が期待されたが,今回Lederle会社がこの期待に添う新製剤Di—arnox Sequelsを発表し,私共は之を入手し試用する機会を得たので,本剤の緑内障に対する治療経験を報告する。
 Diamox Sequelsは,1錠中500mgのace—tazolamideを含有しているが,このうち375mgは粉末や結晶の形でなくて,0.25〜1.68mmの顆粒状となつている。この顆粒は,1/2時間に15〜30%が,2時間で27〜47%,4 1/2時間で45〜70%,7時間で67〜100%が吸収される様にwax-coatされている。従つて,血中濃度の極大は内服後8〜12時間に得られるといわれている。このsu—stained-release現象のため,眼圧に対する下降効果は,従来のDiamoxが投与後30〜90分で眼圧は下降し始め,1〜5時間で極大に達し,8〜12時間作用を持続するのに対し,Diamox Sequelsは内服後18〜24時間眼圧下降効果を有するといわれている。このため,投与回数の減少,副作用の減弱が期待される訳である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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