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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科17巻7号

1963年07月発行

文献概要

臨床実験

麦粒腫患者の血清中コレステロール量に就いて

著者: 井上一正1

所属機関: 1東京都国保連合会南多摩病院眼科

ページ範囲:P.871 - P.873

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I.緒言
 麦粒腫の発生要因に就いてはその起炎菌は葡萄状球菌と連鎖状球菌であるがそれに全身的又は局所的な抵抗力の減弱が加わって起るものと思われる。しかし如何なる要因で起るかに就いては麦粒腫がありふれたものであるにも拘らず不明でありこの方面の研究も結論に至つていない。最近大島祐之氏は麦粒腫が頻発する症例は若年者に比較的多く,その原因として起炎菌の残存と全身又は局所の感染に対する抵抗力減弱の両者があげられる。感染に対する抵抗力減弱の全身的原因としては第一に糖尿病があげられる。頻発する麦粒腫の原因とも結果ともつかず眼瞼縁炎や慢性結膜炎を伴なう症例がある。食事上の注意では一般に偏食があれば矯めさせるべきであるが特に頻発する症例の場合には脂肪摂取を減ぜしめた方がよいと述べている。中村康氏は屈折異常も原因としてあげている。須田栄二氏は全身性疾患を有する者,特に結核その他の慢性疾患を有する者に多発する傾向があり又再発する傾向があると述べている。
 WackerおよびHueck等に依れば摂取せる食物中にコレステロール量を増加する時動物体内に燐脂質の量を増し,その量比はかなり一定に近くコレステロールと総脂酸との比(コレステロール/総脂酸)を脂質恒数と言つている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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