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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科17巻9号

1963年09月発行

臨床実験

心疾患と眼科的所見—その1

著者: 川嶋菊夫1 広沢弘七郎2 沼尾智代子2

所属機関: 1慶大眼科教室 2東京女子医大心臓血圧研究所

ページ範囲:P.1025 - P.1028

文献概要

I.緒言
 心疾患と眼所見との結びつきは心疾患と眼底所見との関係に始まるが,心疾患を考えるとき,心臓は循環系の基源である以上血管系との関係を生理的に結びつけることも大切であろう。この問題に関しては従来心疾患と眼底血圧との関係が述べられて来たが,これはその結びつきの一面を述べたにすぎない。即ち心臓がなす作用を忠実に伝えているとはいい得ないからである。いい換えればその動態の一面しか現わしてないからである。吾人はこの心臓の動態が如何に眼球に伝わり,如何に影響し,如何なる障害を及ぼすかを知らんとする欲望は否み得ない。そこで眼底における動脈の真の動態があらわされる脈波および血圧が取れるならば,眼球は被膜を持つた一つの独立器官で,その眼球内の動脈構造が特殊の形態をなし,その上眼球の大いさ及び構成成分における個人差が少ない故にその価値は大にして,そのまま個人間の比較検討は出来る故に大いに利用するところがあるといい得よう。
 そこで先きに改良発表した角膜脈波計はSerr,Sabanski,Adler等のDataより生れ,眼圧の急激な変動△Pをより利得良く,かつ忠実に取れる様にしたものである故に動脈の動的の姿をあらわしたものといい得る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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