文献詳細
臨床実験
珍らしい先天異常を伴つた両側性Sturge-Weber氏病の1例
著者: 石黒宏太1 大槻静子1 佐藤肇2 石神英世3
所属機関: 1東京都立荏原病院眼科 2東京都立荏原病院小児科 3東京都立荏原病院整形外科
ページ範囲:P.1037 - P.1047
文献概要
一側の顔面血管腫に同側の牛眼又は緑内障を伴うSturge-Weber氏病(以下S-W病と略記する)の不全型は必ずしも珍しい疾患ではないが,癲癇様痙攣発作を伴う定型的な症例,両側性S-W病或いはX線撮影により頭蓋内に石灰沈着を認める例は極めて稀とされている。私共はこれ等の症状を備えると共に全身に広範な血管腫と蒙古人斑様の色素斑を認め,血管腫に伴う右手の肥大及び大泉門,矢状冠状縫合の早期癒合による頭蓋奇形を伴つた珍しい症例を経験したので,最近の文献から集めた70例のS-W病の症例に就て,又佐藤(邇)の104例を加えた174例に就て,2,3の統計的観察を試みると共に,本症の成因に就て考察を行つたのでその概要を報告する。
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