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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科18巻12号

1964年12月発行

文献概要

特集 眼科臨床における診断・治療上の困難例

網膜色素変性症の併発白内障はどう取扱つたらよいか

著者: 岸本正雄1

所属機関: 1長崎大学医学部眼科

ページ範囲:P.1345 - P.1347

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 極白内障と硝子体混濁は,網膜色素変性症に必発の併発症と云つてよい位である。然も,眼底の変化が相当高度となり,視野が著明に求心性狭小を来した中年層以上の患者で,これらの併発症の頻度,程度共に高度なことが多い。
 後極又は前極白内障は眼底変化の進行したものでは,辛うじて残存している中心視力を遮る。殊に,網膜色素変性症は,元来,光覚が低下しているために,明所でなければ網膜機能が働かないのに,明所では縮瞳のため極白内障による遮光が一層強くなるという悪循環が加わる。そのために網膜色素変性症では,未だ眼底の明視出来る程度の小範囲の極白内障が,視野の狭小と相俟つて,白内障の程度に不相応な中心視力の低下を招来する結果となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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