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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科18巻12号

1964年12月発行

特集 眼科臨床における診断・治療上の困難例

Tonographyによる緑内障の診断と予後判定法

著者: 神鳥文雄1

所属機関: 1鳥取大学医学部眼科

ページ範囲:P.1357 - P.1365

文献概要

Ⅰ.Tonographyの歴史
 眼のマッサージにより眼圧が下降する。又,短時間の間隔で眼圧を反覆測定する時,各々の読みは,先の読みよりも低い眼圧を示す。その際の眼圧の下降は,正常眼では緑内障眼よりも著明である。これは,マッサージ圧或は眼圧計の重量による眼圧の一時的上昇に伴ない,増加した眼圧の割合に比例して,房水が眼内から駆出されるが,正常眼では房水の駆出が緑内障眼よりも容易に行なわれるという事実に基づくものである。今,眼圧計を一定時間角膜上に固定して,眼圧値を継時的に記録する時には,眼圧の変化を図式的に求める事が出来る。この事よりMifllerが1949年Elec—tronic tonometerを発表したのを利用して,1950年にGrant1)は眼圧の連続的記録を発案し,この曲線より房水の流出率Facility of outflow及び分時産生量Rate of aqueous outflowの算出を試みた。更に1951年,同氏は,正常眼と緑内障眼とに於いて,これらに相違のある事を量的に示し,ここにTonographyの基礎を確立した。1954年Ballintine2)はこれ迄のものを総括して,Tonographyが早期緑内障の診断・薬物療法の効果判定,いわゆる,低眼圧緑内障の発見,又,対緑内障手術の効果判定等に,極めて有意義なものである事を報告した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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