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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科18巻12号

1964年12月発行

原著

パンヌスの成因

著者: 平野潤三1

所属機関: 1安城更生病院眼科

ページ範囲:P.1415 - P.1422

文献概要

Ⅰ.緒言
 パンヌス(以下P.)の成因については常にトラコーマ(以下Tr.)と関連して論ぜられ,古くは連続説(連続伝播説)と不連続説(輪部特発説)との対立が有名であるが,最近の諸説を拾つてみても,アレルギー説10)16),日光の影響を想定する説13),Trウィルス侵襲に対する防禦機転を説くもの22),或いは重力による血管の垂下を原因と考えるもの29)等があり,更に近時はP.はTr病変それ自身であるという表現も行なわれている21)。しかし何れも確実な実験的根拠を有たなかつたり,またP.の性質の一斑を説明し得ても,よくその全貌を解明していない様に思われる。
 一方,P.には解決を要する様々の問題がある。①P.はどうして出来るか,何のために存在するか。②何故Tr.の初期・盛期でなくて末期・瘢痕期に著しいか。③血管が輪部上縁より侵入し,且つ表在性に留まる理由は何か。④Tr.のP.と諸他のP.とは如何なる関連性があるか。⑤P.の治療の要点,等々である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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