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高血圧症に関する眼科学的研究—第17回日本臨床眼科学会研究
著者: 入野田公穂1 松山秀一1 高橋茂樹1 渥美健三2 志和健吉2 熊谷茂樹2 桑島治三郎3 鬼怒川雄久3 土屋忠久3 村田博4 西郷逸郎4 三国政吉5 木村重男5 岩田和雄5 早津尚夫5 中島章6 阿部恒太郎6 杉町剛美6 金子寛6 加藤謙7 千種正孝7 松林道雄7 寺田永7 後藤匡7 桜井恒良8 新美勝彦8 松崎芳子8 塩井牧子8 佐野正純9 深見正臣9 近藤正彦9 宇山昌延10 芥川徹10 水川孝11 東郁郎11 湖崎弘11 岩本栄子11 北川弘子11 牧内正一12 由利嘉章13 中山清13 生井浩14 富永佳也14 高安晃15 川畑隼夫15 大山美智子15 土方文生16 新井宏朋17 長山浩二17 百瀬光子 佐伯譲18 村山健一19 大磯英雄 三浦寛一20 曲直部正夫21 原清22 松下和夫23 板垣洋一24 難波竜也25 壼井忠彦 木村一雄26 安武一雄27 大村博 盛直之28 宇山昌延29
所属機関: 1弘前大 2岩手医大 3東北大 4福島医大 5新潟大 6順天堂大 7日大 8名大 9岐阜医大 10京大 11阪大 12大阪医大 13神戸医大 14九大 15鹿児島大 16秋田県立中央病院 17千葉大公衆衛生 18東急病院 19横浜中央病院 20京都逓信病院 21大阪逓信病院 22大阪府立成人病センター 23大阪市交通局病院 24鳥取県立中央病院 25済生会呉病院 26国立福岡中央病院 27熊本市民病院 28関西電力病院 29弘前大
ページ範囲:P.1425 - P.1439
文献購入ページに移動ラットの1側又は両側の腎動脈を結紮して,腎に梗塞を起させることにより高血圧を来した。血圧の経過と眼底所見の詳細については,既に報告済(眼紀13巻12号)である。結紮後,凡そ3週〜1ヵ月で効果が現われ,血圧は150〜200mmHgに達し,その後数ヵ月乃至10ヵ月に亘り持続する。半年位を経て血圧が少しく低下する傾向を示すものもある。血圧の上昇に伴ない,眼底に現われる変化は先ず網膜動脈の狭細と蛇行である。血圧が上昇してから半月ぐらい後に現われる。そして2〜3ヵ月狭細が最も著るしくなり,糸の様に細くなうものもある。更にその狭細した血管に口径不同が著明に伴われる。長い年月をかけると,乳頭周囲から網膜にかけて強い浮腫が現われ,やがて網膜全体に灰白色の混濁が現われてくる。更に乳頭浮腫が強くなると,明らかに欝血乳頭の像を示すものがある。しかし乍ら更に長期に亘ると先に狭細していた動脈の狭窄の程度が少し軽くなり,時には前よりも太くなつて見える,即ち動脈が充実して見えるようなものがある。今回はこれらの病理組織学的所見について述べる。
標本は血圧が200mmHg前後に凡そ1年間続き中,眼底には網膜動脈の狭窄蛇行が著明で,網膜浮腫並に欝血乳頭を認めた症例のもので、これでは乳頭に瀰漫性の浮腫があり.それが硝子体内に膨隆して眼底所見に相当する所見である。
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