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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科18巻2号

1964年02月発行

文献概要

手術

鬱血性(閉塞隅角)緑内障の治療,特に手術について(総論)

著者: 岸本正雄1

所属機関: 1長崎大眼科

ページ範囲:P.205 - P.208

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 眼圧の上昇そのものが緑内障の全部ではなく,緑内障というものの一部の現われであろうということは,有力に推定されるが,眼圧上昇が持続するということが,視機能に対して有害に作用して,視機能をだんだんと消耗させて行くということは,まず,間違いのない事実と考えてよい。一方,一旦眼圧の上昇が起つても,これを十分に引き下げて,いつも正常値を越えないように維持できた場合には,視機能の消耗して行くのが,停止したり改善したりすることも,経験上実証されていることである。それで緑内障の治療といえば,恐らく対症療法に過ぎないだろうと思いつつも,眼圧を攻撃するということが,第一義とせられている。本当の原因が猶不明である現在では,止むを得ないことであろう。
 原発緑内障の中で,先天緑内障を除くと,症状乃至治療に対する態度が,かなり明かなコントラストを示すために,二つの型が,昔から区別せられている。すなわち,一つは単性緑内瞳と呼ばれるものであり,もう一つは炎症性緑内瞳と呼ばれるものである。炎症性緑内障は鬱血性緑内瞳とも呼ばれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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