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特集 第17回日本臨床眼科学会講演集(その2) 学会講演集
接着剤(Aron Alpha)の眼科手術への応用
著者: 中川喬1 野中富夫1
所属機関: 1札幌医大眼科
ページ範囲:P.349 - P.353
文献購入ページに移動眼科の手術では縫合に細心の注意が払われており,縫合の良否が直ちに手術の成否を左右することが多い。縫合には高度の技術と長時間を要する上,時には解剖学上の制約や感染のため縫合が不可能のことがある。従来より眼科縫合技術には幾多の工夫が試みられたが,縫合法以外の組織の接合方法はほとんど追求されていない。
近年外科手術の進歩と共に,小血管の接合,骨の接合等が行なわれて来たが,縫合だけでは必ずしも結果が思わしくなく,他の新しい接合方法が求められた。一方では高分子学の発達と共に生体にも使用しうる合成接着剤が生産されるようになつた。1955年に常温で加圧を要せずに,微量の水分により迅速に強い重合反応を起すα—Cyano—carylate monomerが発見され(第1表),約4年前より臨床実験に本剤を用いた文献を散見するようになつた。眼科領域ではEllis, R.A.3),Bloomfield, S4)5)らの実験報告がある。著者等は同剤を主成分としたAron Alpha 201, 202を用い家兎で接着実験を行なつた。
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