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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科18巻4号

1964年04月発行

文献概要

特集 第17回日本臨床眼科学会講演集(その3) 学会講演集

眼科手術のプラスミン活性値におよぼす影響

著者: 前田イヱ1

所属機関: 1大阪市大眼科

ページ範囲:P.445 - P.449

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Ⅰ.緒言
 線維素溶解(以下線溶と略記)現象は,最近,各方面よりにわかに注目をあびるようになり,種々の生理的ならびに病的状態において血液の線溶能の亢進する場合のあることが報告されている1)2)。生理的には精神的感動3)や過激な肉体運動4)5)においてみとめられ,臨床的には手術6),外傷,あるいは白血病,再生不良性貧血,血小板減少症などの血液疾患7)8),悪性腫瘍9)10),肝硬変症11)12)X線照射13),アレルギー性疾患13)14),さらに妊娠中毒症,子宮外妊娠などの産科的合併症15)16)などに発現することが知られてい当る。すなわち,この線溶現象は生体が侵襲を受けた場合に起る1つの生体反応であると考えられる。手術において,Macfarlane6)は術後70%に線溶現象が陽性になることをみいだし,手術前にもかなり高率にプラスミン活性化をみとめている。これは手術に対する恐怖や,不安感などのいわゆる精神的ストレスもプラスミン活性化に影響をおよぼすことを示すものである。
 Selye17)のストレス学説に強調されているように,種々の侵襲によつて下垂体副腎皮質系の活動が亢進することは明かな事実であり,血液,尿中17—OHCS値やウロペプシンが手術によつて増加することも多くの研究者によつて報告されている18)19)20)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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