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特集 第17回日本臨床眼科学会講演集(その4) 学会講演集
虹彩毛様体機能に関する研究—第6報フルオレスチンを用いての緑内障早期診断可能性の検討その1フルオレスチンの血中濃度と前房内濃度との関係
著者: 吉川十三夫1
所属機関: 1昭和医大眼科
ページ範囲:P.545 - P.550
文献購入ページに移動I.緒言
緑内障の早期診断には種々なる方法があるが,何れも充分な確実性を有してはいない。緑内障の様に治療法が未だ完全でない疾病においては,早期に診断を確立し,視野の狭窄,及び視力の低下を早くから予防することがその治療の上の要点と考えられる。従つて緑内障治療における現在の最大の目標は早期診断でなければならないと考える。而して多数の早期診断法の内現在最も信用されている方法はGrant Tonographyである。然しながらTonographyの根底をなす理論式も亦既にFriedenwald或はLanghamの批判する様に,多くの誤差を含んでおり早期診断に使用するにはその成績は余りに巾がありすぎる欠点を有している。更に実測上の誤差を含めて考えるならば,早期診断の目的から著しくかけ離れてしまうのではないかと危ぶまれる。
私はフルオレスチンが生体においてその濃度を測定し得る点,及び前房内には比較的出現し難い点の二つを利用し,緑内障の早期診断即ち前房水のturn over rate測定の可能性の有無について検討を試みた。
緑内障の早期診断には種々なる方法があるが,何れも充分な確実性を有してはいない。緑内障の様に治療法が未だ完全でない疾病においては,早期に診断を確立し,視野の狭窄,及び視力の低下を早くから予防することがその治療の上の要点と考えられる。従つて緑内障治療における現在の最大の目標は早期診断でなければならないと考える。而して多数の早期診断法の内現在最も信用されている方法はGrant Tonographyである。然しながらTonographyの根底をなす理論式も亦既にFriedenwald或はLanghamの批判する様に,多くの誤差を含んでおり早期診断に使用するにはその成績は余りに巾がありすぎる欠点を有している。更に実測上の誤差を含めて考えるならば,早期診断の目的から著しくかけ離れてしまうのではないかと危ぶまれる。
私はフルオレスチンが生体においてその濃度を測定し得る点,及び前房内には比較的出現し難い点の二つを利用し,緑内障の早期診断即ち前房水のturn over rate測定の可能性の有無について検討を試みた。
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