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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科18巻6号

1964年06月発行

文献概要

臨床実験

前房水等眼細胞外液のCa++測定を主眼としたガラス電極の考案

著者: 坂上道夫1

所属機関: 1慶大眼科

ページ範囲:P.699 - P.701

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I.緒言
 p.H.測定用のガラス電極によるアルカリ側におけるSodium errorを利用して,さきに人工的ガラスSodium Alumino-Boro-Zinco Silicatesを利用して,Na測定用ガラス電極を作成した。そしてEisenman氏等のNAS11-18ガラス素地と比較して,数々の利点を報告した。又房水血液間のNa分布は本法によるイオンとしての熱力学的濃度で表現すると,従来と異なつた成績を得た。細胞内外のイオンの移送を論じ,又柵barrierを介しての血液,眼内液(細胞外液)間の動的輸送機構を解明するための手段としては直接遊離エネルギー表出としての活量activity測定を考えねばならない。今回は特に2価のイオンとして遊離型の測定が困難であるCa昔を測定する電極を考案したのでここに発表する。
 2価のイオンに対するガラス電極はHarvard大学地質学教授Garrels氏等が1962年に始めて作成してScienceに発表している。著者は同大学地質学の藤井氏の御協力を得て入手した天然ガラスとしての灰長石Anorthite ((Ca Al2Si2O8))及びLabradorite ((ほぼ灰長石に近い組成分をもつもの))を使用してみた。又King氏より提供されたTektiteを使用した。Ca++測定用ガラス電極としてのCa++撰択性になお難点があるがここに発表して批判を受けたいと考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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