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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科18巻7号

1964年07月発行

文献概要

臨床実験

Hurler氏病の一非定型例

著者: 丸山光一1 内田璞1 高橋寛1

所属機関: 1京都大学医学部眼科

ページ範囲:P.801 - P.806

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Ⅰ.緒言
 本症候群は臨床上稀にみられる疾患であり文献記載も比較的最近の事であり,1917年Hunter,次いで1919年Hurler1)が症例報告を行なつている。以来本症の特異な臨床像が注目される様になり,稀有な疾患ながら次第に文献記載が行なわれる様になつた。本症の成因に関しては従来定説なくlipid代謝異常,glycogen乃至glycoprotein蓄積等の説が唱えられたが,何れもその根拠は薄弱で臆測の域を出なかつた。しかし最近Dorf—man,Lorincz2),Meyer3)等の業績より本症の成因はfibroblast type cellの先天異常によるムコ多糖類の臓器組織への蓄積によると考えられている。本症の定型例はその特異な臨床像より臨床診断は比較的容易であるが,非定型例,軽症例は確定診断が困難であり特殊検査を行なう必要がある。
 著者等は最近両眼視力障害を主訴とする患者を観察し臨床所見より本症が疑われたが,尿中ムコ多糖類検出,白血球原形質に於けるRelily'sbody証明の結果Hurler's syndromの非定型例と診断したので以下に報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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