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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科18巻7号

1964年07月発行

文献概要

臨床実験

眼科領域におけるバランスの使用経験例について

著者: 冨岡瑞子1

所属機関: 1東邦大学医学部眼科

ページ範囲:P.871 - P.877

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1.緒言
 最近当眼科を訪れる患者のうち一連の精神神経的症状即ち頭痛・眼痛・霧視・頭重感・眼精疲労・嘔気・肩凝り等の症状を単独に或いはこれ等症状の組合せを主訴として来院するものが多い。この様な症状を訴える患者に於て視力・視野・近点眼圧,検眼鏡的眼底所見等に変化を認めるものは云う迄もなく,殆んど変化を認めないものに対しても電気眼圧計により,C値及びF値を測定してみると異常値を示すものが多い事に気付いた。さて房水の産生と流出に不均衡の生ずる原因の一つとして神経支配特に自律神経系の何等かの障害が考えられ又眼圧上昇の誘因の大なるものとして精神的激動があげられている。故に自律神経遮断剤又は精神安定剤を使用する事に依つてこの不均衡の状態が如何なる態度をとるかに興味を持ち更に上記の諸症状が軽減されるのではないかと考え,今回少数例ではあるが上記諸症状を主訴として来た患者に精神安定剤バランス(山之内製薬)を使用しそれ等の関係を観察したのでここに報告する。
 この薬剤はSternbach及びReederにより合成され化学名は7—chloro−2 methyl-amino−5—phenil 3H・1・4・benzodiazepine・4・oxideでありメプロバメートの誘導体でもなく,フエノチアジン系誘導体でもない。化学構造式は前記の如くである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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