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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科18巻8号

1964年08月発行

文献概要

臨床実験

緑内障に対するBC−48の長期治療効果について

著者: 高橋祥子1

所属機関: 1東京女子医科大学眼科

ページ範囲:P.981 - P.985

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I.緒言
 緑内障治療剤として多種のAnticholineste—rase剤が広く用いられているが,1956年R.Gittler及びPillat1)が長時間に亘る縮瞳及び降圧効果を有する強力なCholinesterase inhibitorであるDemecarium Bromide (略してBC—48)を発表して以来,欧米に於ても,本邦に於ても最近多数の報告がなされている。
 著者2)は先年緑内障患者14例,緑内障眼27眼(広隅角緑内障10眼,狭隅角緑内障13眼,絖発緑障4眼)に対し1%,0.5%,0.25%BC 48内について実験し,虹彩炎による続発緑内障2眼を除くすべての例に眼圧日差動揺をも消失せしめる著しい降圧効果を見た。しかるに,1%,0.5%溶液では,降圧作用は1滴点眼で,2日から10日も続くが,眼痛,眼球発赤,虹彩炎等の副作用が頻発し,著明な一過性圧上昇を示す例も経験した。そこで,0.25或は0.1%を用いたところ降圧持続時間は短くとも,副作用の発現が激減し,緑内障治療には,まず0.25%を用いてみるのが最も賢明であるとの結論を得た。しかし緑内障の非観血的治療は周知の如くかなりの長時間を要するものであり,点眼薬を長期投与して,眼圧,視野,その他眼科的諸検査で,総合的に緑内障の調整が可能でなければならない。今回,緑内障患者24例,緑内障眼47眼に0.25%BC−48を長期使用し,いささかの治験を得たので追加する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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