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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科19巻1号

1965年01月発行

文献概要

講座

眼科におけるレントゲン診断の基礎知識

著者: 戸塚清1

所属機関: 1関東逓信病院眼科

ページ範囲:P.7 - P.14

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1.頭の固定ということ
 シャツターを切つた瞬間に被写体が動くと写つた写真は当然ダブつたものになります。普通写真では,このような写真も,場合によつては,スピード感が溢れていて良い写真だといわれます。然しレントゲン写真では,特に目的を持つ重複撮影の場合などは例外として,こういう写真は頂けません。
 レントゲン写真撮影の場合に一番大切なのは,曝射中絶対に被写体が動かないということです。そしてこのためにはあらゆる苦労をしなければいけないと思います。然し中に鼓動する心臓をかかえている胸部撮影の時などと違つて,眼部の撮影の場合には幸い目立つて動くというものはありません。従つて患者が大人の場合には,頭部を枕などで動かないように固定して,又患者さんの気分をなるべくリラックスさせておいて,撮影の瞬間には一寸息を止めてもらい,眼球の向きや眼瞼も動かさないでいてもらえば,ブレの殆んどない良い写真を撮ることが出来ると思います。幼児の場合は一寸困難ですが,なるべくそつとして置いて,患児が寝入つた時を見はからつて撮影するのも一法でしよう。然しこの時は,正面撮影の場合,どうしても後→前の方向でなく,反対の前→後の写真になってしまいます。止むを得ないと思います。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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