文献詳細
文献概要
臨床実験
Wegener氏肉腫症の一剖検例
著者: 進藤晋一1
所属機関: 1進藤眼科医院
ページ範囲:P.25 - P.33
文献購入ページに移動I.まえがき
気道(上気道,時に下気道,また時に両者)に始まり,進行性に周囲組織を侵襲し,あるいは全身に病変が拡がり,敗血症様の症状を伴う,予後不良で,現今なお本態不明の疾患を,所謂進行性壊疽性鼻炎と呼び慣わしている。本症に関しては,古来,幾多の業績があるが,鼻,肺,腎と系統的に侵され,いわば,この三主徴のごときものの出揃うWegener氏肉芽腫症なるものは,甚だ稀有な症例とされ最近活発に研究,論議される様にはなつたが,内外文献は其の割に少く,殊に日本では,専ら,耳鼻咽喉科,皮膚科,内科,病理学の分野において報告せられ,眼科方面においては,奥田氏1)らの二例を嚆矢に,沈2),沖田氏らが三例を追加しているに過ぎない。
幸にして,私は本症の一例に遭遇し,眼科学的検索の機会に恵まれ,且つ剖検の所見をも得たので,ここに報告し,御参考に供したく思う。
気道(上気道,時に下気道,また時に両者)に始まり,進行性に周囲組織を侵襲し,あるいは全身に病変が拡がり,敗血症様の症状を伴う,予後不良で,現今なお本態不明の疾患を,所謂進行性壊疽性鼻炎と呼び慣わしている。本症に関しては,古来,幾多の業績があるが,鼻,肺,腎と系統的に侵され,いわば,この三主徴のごときものの出揃うWegener氏肉芽腫症なるものは,甚だ稀有な症例とされ最近活発に研究,論議される様にはなつたが,内外文献は其の割に少く,殊に日本では,専ら,耳鼻咽喉科,皮膚科,内科,病理学の分野において報告せられ,眼科方面においては,奥田氏1)らの二例を嚆矢に,沈2),沖田氏らが三例を追加しているに過ぎない。
幸にして,私は本症の一例に遭遇し,眼科学的検索の機会に恵まれ,且つ剖検の所見をも得たので,ここに報告し,御参考に供したく思う。
掲載誌情報