文献詳細
文献概要
臨床実験
出血性眼疾患におけるトロンボテスト活性値について
著者: 町田晶子1
所属機関: 1東北大学医学部眼科教室
ページ範囲:P.1237 - P.1245
文献購入ページに移動I.緒言
トロンボテストは,1959年Owren1)によつて考案され,経口的抗凝血剤療法時の投与量調整法として発表されたものである。従来,凝血機作模型として考えられているのは第1図の如くである。経口的抗凝血剤の投与量調整法としてはQuickの一段法,あるいはProthrombin and proco—nvertin method (P and P法)などが実施されているにも拘らず,これらの方法では経口的抗凝血剤(クマリン製剤,インダンジオン製剤)によつて減少するプロトロンビン(第II因子),安定因子(第VII因子),PTC (第IX因子),第X因子のすべてを測定するとは限らず,又,長い時間と複雑な手技を要する。OwrenはThrombotestがこれら上記4因子のすべてを,比較的良く測定出来,かつ手技が簡単であることから,経口的抗凝血剤療法時の投与量調整法としての優秀性を指摘している。
著者はThrombotestを抗凝血剤使用時のコントロールとしてばりでなく,出血性疾患に用いることによつて,出血の原因の一端を推測しうるのではないかと考え,出血を伴う二,三の眼疾患にThrombotestを試み,若干の知見を得たのでここに報告する。
トロンボテストは,1959年Owren1)によつて考案され,経口的抗凝血剤療法時の投与量調整法として発表されたものである。従来,凝血機作模型として考えられているのは第1図の如くである。経口的抗凝血剤の投与量調整法としてはQuickの一段法,あるいはProthrombin and proco—nvertin method (P and P法)などが実施されているにも拘らず,これらの方法では経口的抗凝血剤(クマリン製剤,インダンジオン製剤)によつて減少するプロトロンビン(第II因子),安定因子(第VII因子),PTC (第IX因子),第X因子のすべてを測定するとは限らず,又,長い時間と複雑な手技を要する。OwrenはThrombotestがこれら上記4因子のすべてを,比較的良く測定出来,かつ手技が簡単であることから,経口的抗凝血剤療法時の投与量調整法としての優秀性を指摘している。
著者はThrombotestを抗凝血剤使用時のコントロールとしてばりでなく,出血性疾患に用いることによつて,出血の原因の一端を推測しうるのではないかと考え,出血を伴う二,三の眼疾患にThrombotestを試み,若干の知見を得たのでここに報告する。
掲載誌情報