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臨床実験
ステロイド緑内障—3自験例について
著者: 福田量1
所属機関: 1九州大学医学部眼科
ページ範囲:P.1463 - P.1466
文献購入ページに移動I.まえがき
副腎皮質ホルモンの炎症性眼疾患に対する効果はある場合には劇的であり,現在濫用されている傾向があるが,その結果各種の副作用が認められるに至つている。その副作用の1つとして最近ステロイドホルモンの全身,或いは局所投与により緑内障を起した報告がかなり多数なされ,所謂ステロイド緑内障と呼ばれ,注意されている。これらの緑内障症例は大部分がステロイドの長期連用による眼圧上昇であり,多分に偶発的で,むしろ今日のステロイド使用例数よりすれば,本剤による緑内障の発生率は必ずしも多いとは云えない。然し著者は最近試験的にDexamethasone,Be—tamethasoneの点眼を一見非緑内障眼に行つた所,短期間に緑内障を誘発した3症例に遭遇したので報告する。このような点からすると,ステロイド,特に最近の新らしい製剤の使用には慎重な配慮が必要であるので,注意を喚起したいと思う。
副腎皮質ホルモンの炎症性眼疾患に対する効果はある場合には劇的であり,現在濫用されている傾向があるが,その結果各種の副作用が認められるに至つている。その副作用の1つとして最近ステロイドホルモンの全身,或いは局所投与により緑内障を起した報告がかなり多数なされ,所謂ステロイド緑内障と呼ばれ,注意されている。これらの緑内障症例は大部分がステロイドの長期連用による眼圧上昇であり,多分に偶発的で,むしろ今日のステロイド使用例数よりすれば,本剤による緑内障の発生率は必ずしも多いとは云えない。然し著者は最近試験的にDexamethasone,Be—tamethasoneの点眼を一見非緑内障眼に行つた所,短期間に緑内障を誘発した3症例に遭遇したので報告する。このような点からすると,ステロイド,特に最近の新らしい製剤の使用には慎重な配慮が必要であるので,注意を喚起したいと思う。
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