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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科19巻3号

1965年03月発行

文献概要

特集 第18回臨床眼科学会特集号(その2) 学会講演集

Retinoblastomaに関する研究(Ⅰ)—九大眼科における過去32年間(1933〜1964)の症例の臨床的並びに組織学的観察

著者: 許斐郁子1

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.241 - P.259

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I.緒言
 Retinoblastomaは網膜の神経要素(ノイロン及び神経膠組織)から発生する腫瘍(Retinobla—stoma, Astrocytoma, Medulloblastoma)の中で最も発生頻度が高く,且つ最も悪性度の高い腫瘍である。主として5才以下,特に2才以下の小児をおかし,しばしば両眼に発生し,又ある場合家族性に発生すると云われている。
 初めてこの腫瘍について記載したのはHayes (1767)であるが,それ以来,多くの文献が発表されている。1861年Virchowはこれを病理組織学的に検索して,網膜のグリアから発生したものと考え,Glioma retinaeと名附けたが,Flexner(1891), Wintersteiner (1897)はこの腫瘍のロゼット形成に着目し,これが網膜の杆体,錐体に分化しようとする傾向を示すものではないかと考えNeuroepitheliomaと称した7),20)。しかしVer—hoeff22)(1926)はGlioma retinaeの名称は網膜に発生するAstrocytoma (Glioma)と混同されるおそれがあるので適当でないとし,Reti—noblastomaと呼ぶ事を提唱した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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