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特集 第18回臨床眼科学会特集号(その2) 学会講演集
電気閃光感覚に関する研究—(綜合医学賞応募論文)
著者: 松下和夫1 谷美子1 津村暁1 銭谷利男 大草三郎 陶山喜久子 坪田芊子 中野周
所属機関: 1大阪市交通局病院眼科
ページ範囲:P.339 - P.348
文献購入ページに移動電気閃光感覚について,1950年以来,私達はこれを純電気学的に測定する装置を考案し1),種々の研究を重ねて来た。この装置を用いて始めて閃光感覚を認知した人々は,誰しも自己の眼がこのような感覚を有するのに一驚するのが常であった。当初,私達はこの測定法が眼科医によつて必須の診断法として駆使される日を予想したのであつたが,事実はこれに反した現状である。また,本川氏2)をはじめとして生理学者,労働衛生学者などの間においても,疲労測定法の一つとして応用されてはいるが,それも限られた範囲内に留まつているようである。
このように本法が広く普及しない理由としては正常人でも電気閃光感覚閾値の個人差が甚しく,かつ同一人でも測定毎の偏差が大であることが挙げられねばならない。このことは本感覚が種々の測定条件によつて変動しやすい欠点を示すものであるが,また一面,それだけにこの感覚が極めて鋭敏であることを証明するもので,使用の仕方によつては同時に優れた長所ともなり得るのではないかと思われる。
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