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特集 第18回臨床眼科学会特集号(その3) 学会講演集
Amobarbital及びAntibarbitalによる視能矯正法
著者: 筒井純1 渡辺冴子1 延藤文子1
所属機関: 1岡山労災病院眼科
ページ範囲:P.443 - P.445
文献購入ページに移動私共は過去3年間Amobarbitalにより弱視の治療に好成績を収めPleopticsの領域における効果について昨年,一昨年の本学会で公表した1)2)。その後Amobarbitalは大脳における抑制機構を除く作用の他に,両眼視機能においてConvergence nucleusの働きをdepressする作用のあることを知つたがWestheimer3)はBarbitalとAmphetamineがconvergencenucleusに於て拮抵的作用を営むことを報告した。又我々はBarbital系薬物による弱視の治験例中でどうもこの種の薬によつて視力が永久的に改善されない例は,外斜性の弱視に多い傾向が解つてきたのでBarbitalと拮抵するAmphetamineを使用したいと考えたが,この薬は日本では″ヒロポン″と呼ばれるものでその幣害として分裂病的精神病にまで発展する副作用が知られており,使用するわけにはいかないため別な薬を求めていたところAntibarbital剤であるAntibarbi (田辺製薬) Medibal (吉富製薬)に外斜視性弱視にすぐれた効果をみつけたので今回はOrthopticsの領域におけるこれら向精神薬の効果とこれらによる新らしいOrthopticsの方法について紹介する。
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