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特集 第18回臨床眼科学会特集号(その3) 学会講演集
Dysostosisと眼—その3.Marchesani及びMarfan両症候群における染色体の検討
著者: 宇山史郎1 近江栄美子1 戸田操1
所属機関: 1和歌山医科大学眼科
ページ範囲:P.491 - P.496
文献購入ページに移動最近における組織培養法の進歩に伴い,細胞遺伝学に関する研究は長足の進歩をとげて来た。即ち,Tjio,Levanらにより,正常人の染色体数が男女ともそれぞれ46個であることが確認せられて以来,染色体に関する研究は遺伝学の領域のみならず,臨床の研究者たちにも強い関心が持たれ,諸外国のみならず本邦においても数々の業績が報告せられている。その結果,眼科領域に関連を持つ各種先天異常のうち,染色体に形態学的異常あるいは数の異常が認められたものも少くない1)2)13)。
さきに著者3)は,眼に異常を伴う先天性骨形成異常(Dysostosis congenita)のうちHurler症候群の2例と,同一家系中父とその第1男子に発現したMarfan症候群における染色体を検討した結果,Hurler症候群においては,染色体に特に異常を認めなかつたのに対して,Marfan症候群では第1男子の染色体にautosomal trisomyの所見を得て,これを報告して来た。
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