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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科19巻5号

1965年05月発行

特集 第18回臨床眼科学会特集号(その4)

学会講演集

KDPフリツカー視野計の応用について

著者: 水川孝1 中林正雄

所属機関: 1大阪大学医学部眼科

ページ範囲:P.557 - P.562

文献概要

Ⅰ.緒言
 私らはさきに,Goldmann視野計を改造してセクターディスク方式のフリツカー視野計を完成し,臨床応用に適した条件を定めたうえ,各種疾患についてイソプトメトリーによつて測定をおこなつた。その結果軸性視神経炎をはじめ数種の疾患ではGoldmann視野よりもフリツカー視野の方が機能低下の検出には優れていることを見出し,とくに軸性視神経炎では視力測定やGoldm—ann視野計,平面視野計などで全然異常を見出さない時期にすでにフリツカー視野計では視野中心部の明確な機能低下を検出できることを見出した1)2)。また弱視眼について測定し,斜視弱視中や遠視弱視のような機能弱視では正常眼よりc.f.f.が高いか同じであつて少くとも低下することはなく,これによつてc.f.f.低下をきたすところの器質的弱視や慢性軸性視神経炎と鑑別することができることを見出した4)。また軽症の緑内障患者こついて測定し,Goldmann視野でいまだ異常のない時期にフリツカー視野では鼻側の機能低下が検出される場合があることを見出し,視神経炎の場合と考えあわせ,このように明度識別能の機能低下よりも時間的分離能の機能低下が先行するのは,第3ノイロン侵襲の場合の特徴であろうと考えた5)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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