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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科19巻5号

1965年05月発行

文献概要

特集 第18回臨床眼科学会特集号(その4) 学会講演集

コンタクトレンズによる弱視治療に関する研究—第2報乳幼児斜視弱視の治療

著者: 秋山明基1

所属機関: 1横浜市大医学部眼科

ページ範囲:P.563 - P.569

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Ⅰ.緒言
 弱視に対する早期治療の必要性は最近とくに注目され,内外の文献にも3,4,5歳の幼児の弱視を発見し,治療又は予防的処置を行なつた報告に接することが多くなつている。乳幼児の弱視に於て最も問題になるのは,どうして弱視の診断をするかということと,治療の方法をどうするかの2点である。第1の点については,3,4歳児に対しては,すでに井上氏1),原田氏2),渡辺氏3),湖崎氏4)Scheridan氏5),等が試みた視力検査法があるが,1,2歳の場合は従来,斜視の状態により弱視の有無の推測するより方法がなかつた。私は第1報において,黒色不透明のコンタクトレンズ(以後c.1.と略記)で片眼を遮閉し,玩具を視標として被検児につかみとらせる簡易乳幼児視力測定法を考案発表し1,2歳児に対しても大略の視力を測定して,弱視の早期発見を可能ならしめた。
 第2の治療法の問題であるが,乳幼児の斜視弱視の治療としては片眼遮閉が中心となつていて,Jonckers氏7)Hugonnier氏8)の言うごとく遮閉のみによつて充分の効果を挙げ得るのである。遮閉法の実際としては,Aust氏9),SachsenWeger氏10),牧内氏11)等によれば大体次の如くである。2歳以下には,片眼アトロピン点眼を行ない,非常に頑固な斜視の場合は,固着眼帯を用いて遮閉を行なう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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