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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科19巻5号

1965年05月発行

文献概要

特集 第18回臨床眼科学会特集号(その4) 学会講演集

外眼筋の眼筋平衡に関する臨床学的研究—第1報斜視手術前後における眼筋平衡について

著者: 滝本伸子1

所属機関: 1東京慈恵医大眼科学教室

ページ範囲:P.571 - P.590

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Ⅰ.緒言
 斜視手術の真の目的は,その機能的回復にあるが,斜視手術後の両眼視機能獲得のための研究は,最近特に盛んになつてきている。しかしながら,私達が実際に診療にあたつてみると,完全に両眼視機能を得るということは,非常にむずかしい多くの問題を含んでいると思う。近年の文献に徴するも,Anderson, Adelstein-Cüppers,Urist, Cushman等は,特に鉛直筋異常の取り扱いに関して,Ward-Hughes, Tayler, Coste—nbader, Dliamond, Allen等は,手術の進め方,その術後の眼筋バランスの問題について検討している。かくて加藤氏等もこれに関連して述べているように,特に手術後において重要なことは,斜視眼の位置および運動異常の矯正が完全に行なわれ,眼筋の平衡が保たれ,あわせて,両眼性運動が円滑に行なわれなければならないことである。私は,従来,斜視の手術成績で特に興味をひくことは,斜視手術の治療過程において,眼筋平衡というものが,果してどのような影響を受けるかということである。本篇においては,この問題に関して,少しく検討を加えてみたので,ここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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