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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科19巻5号

1965年05月発行

文献概要

特集 第18回臨床眼科学会特集号(その4) 学会講演集

多発硬化症疑症例及び視束脊髄炎Devic氏病症例の開頭

著者: 中川章1 二宮俶子1

所属機関: 1神戸大学医学部眼科教室

ページ範囲:P.670 - P.676

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Ⅰ.緒言
 球後視神経炎なるものが,視神経実質の炎症又は変性と同時に多く視交叉クモ膜病変を併せ有すると考えられ,井街等10)は諸種中毒,レーベル氏病,感染症,ワクチン接種等に見られた球後視神経炎に対して開頭術を行い,これに視神経交叉槽クモ膜炎をみとめ,視神経周囲の肥厚,癒着せるクモ膜を剥離し,その機械的圧迫を除去し,髄液還流を助けることにより視力の改善を来すことを認めた。
 今回著者はすでに両眼視神経萎縮像を呈し,臨床的に多発硬化症と診断された1症例及びDevic氏病の1症例に対して開頭手術を行い,共に視神経交叉部クモ膜の肥厚,癒着を来し病理的にもクモ膜炎の像を認め,その前者においては視力もやや改善されたのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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