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臨床実験
眼球保存液に関する生化学的研究—第7報保存液の基礎としての人工的混合塩類生理的平衡溶液の作成
著者: 坂上道夫1
所属機関: 1慶応大学医学部眼科
ページ範囲:P.815 - P.821
文献購入ページに移動I.緒言
近年角膜移植術の普及,向上と共に,本邦に於いても眼球保存の問題が大きく抬頭して来た。教室の桑原教授は既に人工角膜に関する一連の研究に於いて,角膜の特に実質層の示す高分子性に着目して,保存への示唆を与え,更に異種角膜移植の研究に於いては,角膜組織間液の液体化学からみた置換による抗原性低下を暗示し,最近Stoc—ker氏が賛同を発表している。最近再び着目される様になつた全層角膜移植の為の液体保存法は斯く考えると可成りその起源は古い。
飜つて全層移植の為の保存法をみると,湿定法のみが採用され,漸次液体保存法に変遷している。保存液体としては,ホルマリンによる固定,流動パラフィン,各種油性液,血清等があげられるが,角膜実質の膨潤を完全に防止し得ないと記載されている。
近年角膜移植術の普及,向上と共に,本邦に於いても眼球保存の問題が大きく抬頭して来た。教室の桑原教授は既に人工角膜に関する一連の研究に於いて,角膜の特に実質層の示す高分子性に着目して,保存への示唆を与え,更に異種角膜移植の研究に於いては,角膜組織間液の液体化学からみた置換による抗原性低下を暗示し,最近Stoc—ker氏が賛同を発表している。最近再び着目される様になつた全層角膜移植の為の液体保存法は斯く考えると可成りその起源は古い。
飜つて全層移植の為の保存法をみると,湿定法のみが採用され,漸次液体保存法に変遷している。保存液体としては,ホルマリンによる固定,流動パラフィン,各種油性液,血清等があげられるが,角膜実質の膨潤を完全に防止し得ないと記載されている。
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