文献詳細
文献概要
臨床実験
眼瞼皮膚弛緩症の甲状腺機能について—(附.二重口唇を伴つた1例)
著者: 菅野雄行1 山浦伯雄1
所属機関: 1群馬大学医学部眼科
ページ範囲:P.823 - P.826
文献購入ページに移動I.まえがき
眼瞼皮膚弛緩症は,1807年Beer氏によつて初めて「上眼瞼の反復性浮腫による伸展と弛緩によつて生ずる萎縮状態である」と記載され,1896年Fuchs氏によつてBlepharochalasisと命名された疾患であつて,内外共に多数の報告があり格別珍しいものではない。本症の原因については,諸家によつて慢性増殖性炎症説,皮膚萎縮説,或は血管栄養神経又は内分泌障害説が唱えられているが,1920年Ascher氏が本症に甲状腺腫と二重口唇を伴つた例を報告してから,内分泌腺特に甲状腺の機能障害を暗示するかのごとき記載が少くない。にも拘らず,本症の甲状腺機能について検索したものは,ほとんど見当らない。
また二重口唇を合併した本症については,前記のAscher氏以来諸家の報告があるが,わが国においては浅井氏他数氏の記載を見るに過ぎない。
眼瞼皮膚弛緩症は,1807年Beer氏によつて初めて「上眼瞼の反復性浮腫による伸展と弛緩によつて生ずる萎縮状態である」と記載され,1896年Fuchs氏によつてBlepharochalasisと命名された疾患であつて,内外共に多数の報告があり格別珍しいものではない。本症の原因については,諸家によつて慢性増殖性炎症説,皮膚萎縮説,或は血管栄養神経又は内分泌障害説が唱えられているが,1920年Ascher氏が本症に甲状腺腫と二重口唇を伴つた例を報告してから,内分泌腺特に甲状腺の機能障害を暗示するかのごとき記載が少くない。にも拘らず,本症の甲状腺機能について検索したものは,ほとんど見当らない。
また二重口唇を合併した本症については,前記のAscher氏以来諸家の報告があるが,わが国においては浅井氏他数氏の記載を見るに過ぎない。
掲載誌情報