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Ⅰ綜説
眼科的腦手術殊に視神經諸疾患に對する手術の適應に就て
著者: 井街讓
所属機関:
ページ範囲:P.93 - P.97
文献購入ページに移動而して鬱血乳頭の多くが其原因を視神經より比較的離れた位置に有して居るのに對し,單性視神經萎縮症は多く其原因を視神經に極めて近接して有して居る故特に後者が眼科領域での新しい手術の對象となりつゝあるのである。勿論今日に於ても直接視神經に刀を加えるのはグリオームのみであり之が視力恢復の爲の手術でない事は依然同樣であるが,交叉部蜘蛛膜の異常交叉部附近の腫瘍血管異常等に對する手術が既に乳頭の蒼白化を來した樣な視神經の機能を屡々恢復せしめた事實が次々に報告されて居る。そこで今日では少くとも交叉部の腦外科はどうしても眼科でもやらねばならない所迄來て居ると思う。否更に一歩進んで眼科で交叉部の腦外科をどんどんやらなければ附近の疾患及び視神經疾患の早期診斷學と治療學は進歩しないだろうと思われる。
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