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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科2巻3号

1948年07月発行

文献概要

Ⅱ臨牀實驗

眼球壓迫が網膜中心動脈血壓に及ぼす影響に關する研究

著者: 平田望東男1 馬詰讓1

所属機関: 1慶大眼科

ページ範囲:P.101 - P.105

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第一章 緒言
 1908年Aschnerは眼球を壓迫すると脈搏が觸れなくなることを發見し,又精神病患者で昏朦状態に陷つてゐる者が,他の知覺神經の刺戟では非常に強い刺戟でも覺醒しないのに,眼球壓迫で覺醒することを認めた。眼球壓迫により脈搏數の減少することをAschner氏現象と呼ぶことは周知のことである。其の後多くの學者の研究により,眼球壓迫によつては脈搏數が減少するのみでなく,呼吸數の變化,血管運動神經の緊張状態の變化等が起ることが知られた即ち呼吸は深く遲くなり,血壓は變化する。而してこの三つの反射を各々眼心反射,眼肺反射,眼血管運動神經反射と呼んでゐる。
 Eppinger u. Hessは此の反射の發現を迷走神經緊張症の徴候に加へた。其れ以來多數の學者により此の反射を以て自律神經系の緊張状態を知らうと試みられてゐる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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