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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科2巻4号

1948年08月発行

文献概要

Ⅴ私の經驗

網膜剥離手術補遺

著者: 林雄造1 前川祐誠1

所属機関: 1東北大眼科

ページ範囲:P.174 - P.176

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 網膜剥離の手術的療法は既に確立されて今や行詰りの状態に在り新方法と言ふものは近年何等發表されて居ないとはMachemerの言葉である。然し乍らVogtも言ふ如く裂孔閉塞手術に於てDiathermie穿刺を行ふ場合殊に第1回の試驗穿刺の部位と裂孔の位置的關係を倒像面より鞏膜外面に移すに際し屡々過誤に陷るのは我々の日常經驗する所である。此の場合最も正確迅速で且つ複雜な考慮の過程を經ない簡易な方法を案出したので次に之れを述べよう。
 先づ第1は裂孔が概ね網膜周邊部に存する事は統計の示す所であり,これを頻回觀察する爲には直像よりも倒像を撰ぶ可きは言ふを俟たない。第2に裂孔及其の近圍殊に血管との關係をなるべく精密に倒像により寫生する。而して此の際必ず透明なパラフイン紙を用ふる事を要する。此の時の擴大率は實際手術に當つて裂孔と穿刺による白斑との距離を鞏膜上の實際距離に直す必要上一定にして置く事が必要で寫生の擴大率は倒像大その儘で畫くのが普通であるが時には其の2倍3倍としても差支へはない。第3にパラフイン紙は矩形の紙を用ひ一隅に黄斑部を,略々中央に裂孔を畫き且つ裂孔の中心と黄斑とを結ぶ線上に於て3分の2黄斑寄りに之れに直角な折目を付け且つ輪部をも圖示して置く。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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