icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科20巻1号

1966年01月発行

臨床実験

内頸動脈閉塞症と眼症状—兄妹にみられた2症例

著者: 浦山晃1 土屋忠久1 林英道1

所属機関: 1東北大学医学部眼科

ページ範囲:P.15 - P.22

文献概要

I.緒言
 内頸動脈は眼動脈及び視路の血流を司る中脳動脈を灌流しており,若しここに閉塞が起これば,何等かの眼症状を呈する事が考えられる。しかし,現在まで内頸動脈閉塞症又は血栓症(以下本症と略す)に関する報告は,特に本邦眼科領域よりするものは意外に少い。その理由は本症が稀な疾患であること以上にその存在が広く充分に知られておらず,診断の為の必要な検査,例えば脳血管撮影,網膜血圧測定などが未だ普く実施されていなかつたためとも思われる。
 文献的には,Virchow (1856)が剖検により,内頸動脈が閉塞し,眼動脈及び網膜中心動脈は通じているが,生前片側の失明及び眼瞼下垂を示した症例を報告して以来,外国では,少いといつても相当数の発表があり,Johnson及びWalker(1951)は107例,Luessenhop (1959)は486例を挙げている。本邦では,清水4)の1例(1937)以来数十例を数え5)6)7)9)10),又本症に関する知見も紹介されている11)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら