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臨床実験
眼科手術中におこるOculocardiac Reflexの予防および治療
著者: 佐藤光男1 里吉光子1 茅稽二1 工藤裕1 武藤賢二1 高橋敬蔵1 河村良平1 山中郁男1 加藤和男2 赤松恒彦2
所属機関: 1順天堂大学医学部麻酔科 2順天堂大学医学部眼科
ページ範囲:P.47 - P.52
文献購入ページに移動眼科手術の際にしばしばおこる徐脈はoculo—cardiac reflex (OCR)として知られている。このときの心電図変化は洞性徐脈,結節調律,房室ブロック,Pの二相性または逆転,wanderingof pacemaker,期外収縮,稀に心室細動等々である1)〜5)。出現率はKirsch2)らによれば50例中15例(30%),Mendelblatt4)らによれば50例中9例(18%)という。これを斜視手術に限つてみると発生率は極めて高く,SorensonとGilmore1)によれば17例全部に,Bosomworthら3)によれば28例中23例(82.1%)にかかる変化がみられている。とくに外直筋よりも内直筋の手術操作に頻発することは衆議一致するところである3)6)7)。
このようなoculocardiac reflexによる変化は多くの場合危険を伴なわないが,時に心停止を来すこともある。SorensonとGilmore1)は内直筋牽引により突然心停止を来し胸部叩打により蘇生し得た1例を報告,MallinsonとCoombes8)は斜視手術中に突然心停止が起り開胸心マッサージをしたが不幸にも死亡した1例を報告している。
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